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イノベーションを産み続けてきたコールセンター | イー・パートナーズ有限会社
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Columnコンサルタント・コラム

イノベーションを産み続けてきたコールセンター

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コールセンターは歴史的に多くのイノベーションを産んできました。

多くのコールを一元的に受け付ける必要に迫られたコールセンターは、ACDという電話交換機を産みだしました。ACDそのものもイノベーションですが、その機能である”スキル・ルーティング”すなわち顧客の期待に応える専門知識を持ったオペレータにコールを回す仕組みがコールセンターの原型となりました。最適要員数を計算するアーラン計算式も発明されました。以来、振り分けを行うIVRやアウトバウンド効率化のダイヤラー、要員計画の効率化ツールなど数多くの成長を支援する発展的発明が続いています。有人コールセンターの生産性を上げる”持続的イノベーション”の綿々とつながる歴史があります。

それらに加えて従来存在しなかった新たなテクノロジーが、従来型コールセンターの効率や品質強化に貢献するようになりました。CTIによるデータベースルーティングやコラボレーションを実現するwebRTCなど、顧客特定やwebを見ながらの双方向の対話も可能となりました。顧客側もチャットやSNSなどの新たなチャネルを手にしてコールセンターへのアクセスの選択肢を拡大することができるようになりました。直接コールセンターの品質や生産性に貢献しないかもしれないけれど、顧客の利便性を高め運用の幅を広げるイノベーションの数々です。

 

しかし最大のイノベーションはインターネットの普及によりもたらされました。

メールをはじめとするオムニチャネル・コンタクトチャネルのバックボーンとして利用されるだけではなく、センター自体のシステム基盤もクラウド化され、従来の業務アプリケーションのコモディティ化を加速しています。その上血圧計から車や家に至るまであらゆるものがつながるIoTの時代を迎えると、人が介在することのないコンピュータtoコンピュータの通信が勝手に進んでいくことになります。有人対応のコールセンターがシステムと融合してハイブリッドになり更にはAIの認識能力が向上し、ユーザーインターフェースとしての自然言語認識や声紋認証なども進化して人にかわって顧客対応業務が行える環境が整うことになりそうです。未来はこのような革新的イノベーションによって現実化します。

 

イノベーションによるコールセンターの未来

下図はコールセンターの進化過程を示しています。インバウンドで電話を受ける原始的なコールセンターの時代をCC1.0世代とすると、2018年現在では既に3世代進化しており、あらゆるチャネルを統合したオムニチャネル・コンタクト対応の時代となっています。

応答率でつながることだけを目的としたCC1.0の時代から、つながりやすさを保証する=即時性を必要とするインバウンド・チャネル・コンタクト(電話、チャットなど)に対応する時代CC2.0では、何%のコンタクトを何秒以内に応答するというサービスレベル(SL)指標を適用し、後で返答可能なコンタクト(はがき、FAX,メールなど)には何分以内に返信するというレスポンスタイム(RT)指標を使うという科学的な運営に移行しました。このSLやRTというマネジメント指標によって多くのセンターが要員稼働も計算によって求めることができるようになり、計数管理が可能となりました。組織目標をより精度高く指標管理できる状態になったのです。

しかしながら固定電話が携帯に替り、顧客の個人個人と向き合う必要が出てきましたCC3.0の時代には、ショートメールやソーシャルメディアなどのチャネルも利用して徹底的に顧客のロイヤルティを追求し、常に「応対品質」を意識しなければならなくなりました。顧客の利用チャネルの選択肢が増えるに従って、より詳細に運営管理をする必要が増し、同時に品質指標にも注意を払わなければならない状況となったのです。そのためオペレータの能力開発とモチベーション維持、退職抑止には大いに投資が必要となりました。

更にCC4.0に進化すると、コールセンターはよりビジネスへの貢献を追求する必要が出てきました。顧客の不興を買う割合を減らす事を追求するCES(Customer Effort Score:顧客負担度)に着目することになり、CESがNPSの先行指標となることが理解された結果、NPSを向上させるコールセンターの役割が業績貢献に寄与することを表現できるようになりました。これが現在の姿です。一方でテクノロジー分野では、円滑なカスタマージャーニーを提供するため、徹底した利便性を追求することとなり、24時間運営可能な自動化システムを展開することになりました。とはいえ全てのタッチポイントに適用できるテクノロジーはなく、顧客と会社双方に価値の低い単純かつルーティンのコンタクトを携帯アプリケーションやIVR, バーチャルエージェントなどによるセルフサービスで対応可能な領域に限定して適用する運営スタイルが現在の特徴です。まだ過渡期です。

この先、あらゆるものがネットに繋がるIoTの世界になると、顧客情報は事前に取得され、顧客が問い合わせをしようと思うより先にシステムが顧客に御用聞きをすることができるようになります。インバウンドという概念がなくなるかもしれない世界です。会社は顧客の「カスタマーエクスペリエンス」を最大化しようと絆をつむぐことに注力します。この世代では、セルフサービスやAIとオペレータが互いに補完し合うハイブリッドな運営が展開されます。有人応対の領域では生産性指標ではなく金額換算コール価値を、システムによる解決率を追跡するエスカレーション率などが重要な運営指標となりそうです。

コール価値のベースには、CPX (Contact per X:ドライバーXあたりのコンタクト比率)の利用価値があることは今も将来も変わりがないでしょう。

事業環境が変化し続けている社会環境の中で、コールセンターが時代遅れのマネジメントを続けていては顧客を失ってしまいます。

現代の経営は社会変化に伴うビジネスモデルの変革が不可欠です。顧客接点を活用して事業貢献を担うコールセンターはデジタルシフトの潮流を直視し、イノベーションを活用して乗り切る施策を実践しようではありませんか。